会長挨拶
春日 敏宏
Toshihiro KASUGA
(名古屋工業大学教授)
中山尋量先生(神戸薬科大学)の後任として、2022年9月29日開催の総会において第15代会長を拝命いたしました。役員名簿にあります新体制で活動させていただきます。
副会長には橋本和明先生(千葉工業大学)と佐藤英俊様(下関三井化学)にご就任いただきました。中山先生には常務理事として引き続き学会運営にお力添えをいただくことになりました。また、名誉会長 山下仁大先生、顧問の先生方にはいろいろとご意見を頂戴できれば幸いです。何卒、よろしくお願いいたします。
本学会は無機リン化学研究会設立から2022年で36年となり、幅広く無機リン化学に関する学術と技術が議論されてきました。最近は機能材料開発に力がかかっているようにも思いますが、そこには基礎科学がなければ成立しませんので、時流に乗った無機リン化学研究が進められていると思います。無機リン化学を基礎として、生体材料、電池材料、触媒、構造材料、環境材料、生活材料、等々の機能創出・高度化へと発展させるプラットホーム的役割を本学会が担っていると思っています。
本学会の規模は小さいですが、むしろそれを活かしてフレキシブルに活動できる、あるいは活動したらよいのではないかと思っています。機関誌PHOSPHORUS LETTER(PL)と英文学術論文誌Phosphorus Research Bulletin(PRB)の発行、無機リン化学討論会の開催が主たる活動の柱ですが、これらをうまく活用して、とくに次世代を担う若手研究者の育成と産官学連携に力を入れていくことが本学会の重要な責務ではないかと思います。また個人会員の研究者・技術者が交流して新たな無機リン化学連携態勢のきっかけとなるような場作りも学会の役割だと思います。オンライン会議はとても便利で助かりましたが、やはり発想の機はFace to Faceで語るとき生まれると私は信じています。コロナ対策が徐々に緩和されてきております中、延期となっていますInternational Symposium on Inorganic Phosphate Materials(ISIPM)も、対面式で開催されるべく準備を進めていただいています。
皆様の御協力を賜り、日本無機リン化学会の活動に微力ながら貢献させていただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。