会長挨拶

            橋本 和明
Kazuaki HASHIMOTO
(千葉工業大学工学部応用化学科教授)

 令和6年総会より第16代会長を拝命し,役員名簿にあります体制で活動させていただいております。令和6年度副会長には松田信之様(太平化学産業(株))と相澤 守先生(明治大学)にご就任いただいております。前会長 春日敏宏先生(名古屋工業大学)には常務理事として引き続き学会運営にお力添えを賜っているところでございます。また,名誉会長 山下仁大(東京科学大学歯大院)先生,顧問の大倉利典先生(工学院大学)と中山尋量(神戸薬科大学)の両先生には多方面からのご意見を頂戴しております。

 本学会の規模は小さいですが,むしろそれを活かした活動ができると思っています。機関誌PHOSPHORUS LETTER(PL)と英文学術論文誌Phosphorus Research Bulletin(PRB)の発行,無機リン化学討論会の開催が主たる活動の柱ですが,これらを活用して,とくに次世代を担う無機リン科学の研究者の育成と産官学連携に力を入れていくことは本学会の重要な責務であると考えています。今年度からは,PLは掲載情報の最適化と誌面の充実を図るために2回/年刊行とし,また,PRBは世界中の研究者に閲覧・引用をより多くして貰うため,論文誌の体裁の見直し,参考文献の記述方法の見直し,投稿規程の見直し,等々,オープンアクセスジャーナルとして見やすく利用しやすいジャーナルづくりに注力したいと考えています。さらに,全般的な会員サービスの拡充と会員数の増強についても今後の課題として取り組んでいきたいと思います。

 本学会は無機リン化学研究会設立から再来年の令和8年(2026年)で40周年を迎えます。本学会では,無機リン化学の基礎科学を基盤に機能材料などの応用研究が進められており,時流にあった無機リン化学の研究と開発が進められています。とくにバイオ材料,エネルギー材料,触媒,環境材料,生活材料,等々の無機リン酸塩化合物の特長を生かした機能創出・高度化へと発展させるプラットホーム的役割を本学会が担っていると思っています。そこで40周年記念事業の一環で12th International Symposium on Inorganic Phosphate Materials(ISIPM 12)を日本で,海外の無機リン研究者を招聘して開催したいと考え,現在,企画・立案を行っているところです。

 また,40周年記念事業のもう一つの柱として本学会のホームページ (HP)の改編を計画しております。情報化時代の時流に乗ったHPに改編し,現在のHPにある情報を整理し直してわかりやすくて利用しやすいものにしたいと考えています。また,学会への入会等の申込や無機リン化学討論会の講演申込などもHPでできるようなシステムも用意したいと思います。さらにHPには本学会の40年間の歴史を遡って見ていただくことで,本学会を理解していただき,会員の増強にも繋げていきたいと思います。

 日本無機リン化学会の大きな変革はできませんが,会員の皆様に対して有益となることをコツコツと進めていきたいと思いますので,是非とも,ご協力の程よろしくお願い申し上げます。